レモンにはちみつ




「─…いいなぁ…」

「何が?」

「…っへ!? な、なんでもないっ」


あー、すっかり忘れてたよ。

隣に優人がいるんだった…


「また隠し事して「っ、帰ろ!!電車遅れちゃう!」


不服そうな優人に、心で謝る。

これだけは、言えないもん。


あたしも先輩と一緒に帰りたかったなー、なんて。



「…あ、瀬戸先輩」



……え?

いやいや、顔には出さないよ。

今の宮田かれんは警戒中だからね。


動揺なんてしな…


「あれっ?松岡まだいたんだ」


優人に向かって笑う先輩の姿にどくん、と一度鳴った心臓。


…なんで?
ラーメンじゃないの?

あたしの目の前に立つのは、正真正銘の瀬戸先輩。