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「─かれんちゃん、こっちこっち!」
はちみつレモンも無事に渡し終えて、スタンド席にたどり着く。
今日のはちみつレモンも好評でよかった。
瀬戸先輩も、“うま!”って笑ってくれた…し。
─ ダメダメダメッ!
思い出して、カァっと熱くなった頬を急いで両手で包む。
佐藤先輩にだってあんな意味深発言されちゃったもん。
誰に気付かれるかわかんないし。
油断は禁物!
「なら、今日はかれんちゃんも前で応援しようよ!」
そんなことを考えていると、実和子さんがあたしの顔を覗き込んで笑った。
前の席って、部員とか親が立って応援してる一番前の席だよね?
「ほらほら」と背中を押されて、前の柵のところで、実和子さんが隣に並んだ。

