「…。ぷっ、アハハ!」
一人目を泳がすあたしを見て、佐藤先輩は大爆笑。
…なんで夏穂はこんな人が好きなんだろ。
「っあの…「─樹(たつき)!」
とりあえず対抗しようと口を開けたと同時に、実和子さんの声がそれを遮った。
「なに?」
“たつき”と呼ばれて振り返ったのは、佐藤先輩。
佐藤先輩って、樹って名前だったんだ…
「かれんちゃんのこと、いじめないでよねー?」
「ハハッ、わかってるよ」
そう言うと佐藤先輩は、一人体育館へと足を速めた。
「樹がごめんね? 後で叱っとくから」
「いえ…」
なんで実和子さんが謝るんだろう…?
…ま、いっか。
「かれん、行くぞ」
「あ、はーいっ」
いつの間にかあたしを抜いていた優人たちを追いかけて体育館に入った。

