しかし、完全勝利だというのに。

「むー…」

遡雫さんは物足りないご様子。

既に決着がついたのを確認して。

「柿ピー」

遡雫は柿ピーに呼びかける。

コースを逆走した柿ピーは。

「うわっ!」

何と白組の巨漢のコースに吊るされていたもう一つのパンを咥えて戻ってくる。

「ありがと柿ピー…食べ足りないよねぇ…♪」

「「「えぇええぇえぇえぇぇぇえぇ」」」

遡雫の言葉に、全校生徒が声を上げた。