クラス全員のテストを返して終わると、
テスト回答が始まって、
私のテストは、翼の解答用紙になっていた。
翼も相当点数が悪かったらしく、
テストがなかなかかえってこない。
一生懸命赤ペンで間違えを訂正している
横顔がものすごくかっこよく見えた。
ただのバカなのに、
と思って思わず笑ってしまった。
「何笑ってんの?」
と顔を上げた翼は、笑ってる私を見て笑っていた。
「いや、バカだなぁと思って」
と笑って言った私に、
「バカじゃない!!」
翼はそう言うと、
テストの訂正をまた始めた。
私は、することがなかったから、
ずーっと窓の外を見ていた。
今日も空は青くて、綺麗だった。
キーンコーンカーンコーン
1時間目終了のチャイム。
「じゃあこれで授業は終わりです。」
そう言って、国語の先生は教室から出て行った。
