あたし達は、幼なじみ。
小さい頃から、ずっと一緒にいた。


大して目立つわけでもないあたしと、女の子にモテモテの瞬。
見た目も性格も、正反対のあたし達。

だけどなぜか、今でも一緒にいる。




「おい、葉月帰るよ」


「え…あ、待ってよ瞬!」




それだけ言って、去って行く瞬の背中を追いかけ、あたしは急いで足を進めた。


瞬、歩くの速いよっ…
どんなに速く歩いても、全然追いつかない。




「ちょっ…待っ…」




バタン!!

とうとう足がもつれて、その場に倒れてしまったあたし。




「……葉月、トロい。」




座り込んだあたしに瞬は近付いて来て、そっと手を差し出した。




「……ごめん」




その手をギュッと掴んで、あたしはゆっくり立ち上がる。
瞬はあたしの手を掴んだまま、スタスタと歩き出した。