―チッチッチッ― 静かすぎて、時計の針の音だけが 耳に入る。 あぁ〜… なんか男の子と、こうやって、ずーと二人っきりでいるなんて… 久しぶり? いや、初めて? ……一人で頑張れば良かったかも…。 静かすぎる教室で、ひとり悶々(もんもん)としていると、 天使の声が頭に降ってきた。 「あのさ、藤原さんって――…今週の日曜日暇?」 延々の沈黙を破ってくれた、新里君だけど… 「へっ!?」 思わず声が、裏返ってしまった。 『今週の日曜日暇?』 その言葉だけが、 私の頭の中でエコーされた。