龍の暴力が始まってから塾にあまりこなくなった私を心配して、弘樹はちょくちょく電話してきてくれていた。

そんな弘樹に嘘はつけず、ありのままを話すことにした。



全てを話し終えると、弘樹は黙り込んでしまった。

「弘樹?やっぱ引いた?」

恐々問い掛けると、受話器の向こうから泣き声が聞こえてきた。

「弘樹?泣かないで・・・」

「なんでなんだょ。おかしいだろ?なんでまだそんな奴と一緒にいるんだよ」

弘樹の言いたいことは分かってる。

でも、怖くて出来ないの。

その気持ちを伝えると、弘樹はしばらく考えてから、私に案を出してくれた。