奴は切っ先で歩みを止めた。



「行為、言動、記憶は愚か、そのもの自体の存在を消してしまう事が出来る、この世で二つとない能力だな」


「えぇ。
貴方の存在も今なら消せるのよ」


「‥‥‥‥ハッ」



そう笑い捨てた途端、腹部に熱が集まった。
あたしの口と腹部からは大量の液体。
そして、痛み‥



「あー‥天使にも血は流れてるんだな」


「かはっ‥」



熱が集まっている場所を見ると、そこには阿久摩夾の肘から下が無かった。

貫通‥‥か‥‥?