「くそっ‥‥‥‥」 俺は小突かれた額に手をやった。 昔から感情を出すのが苦手だった俺だったが、何故か夾と夾の兄弟にはバレていた。 俺が不安になると、いつもあぁやって小突かれた。 「‥‥‥馬鹿が」 夾。 俺の所為で悪魔になったんだろう? 俺に復讐する為に‥‥ なぁ、夾。 もう昔のようには戻れないのか? 感傷と後悔に浸っていると、俺の鼓膜を予鈴のチャイムが揺する。 俺はしばらくそこを動かなかった。