――昼休み。

うるさい喧騒の中、ドアからひょっこりと顔を出したのは

「賢也、弁当忘れてた」

……いつも通りの仏頂面を張り付けた俺の婚約者。

「お、……サンキュ」

俺がゆきなに近付きながらそう応えれば、

ゆきなは無言で弁当を差し出して去ろうとする。