紫苑の部屋は二回の一番左。 もう何度も来てるから覚えてる。 ドアをノックする。 「紫苑?来たよー入っていい?」 私は部屋に入る前にいつも、こう言う。 でも返事が帰ってきた事は、ここ最近一度もない。 だから私は返事を待たない。 遠慮もなく普通に入る。 「…何でこんなに暗いのよ…」 相変わらずカーテンを閉め切った部屋。 太陽や電気の光は一切ない。 「紫苑」