「なぁ、深月」

「なに?」

「今日だけじゃなくていい、明日も明後日も部活休んでいいからさ、しっかり自分の気持ち整理して……今度出てくるときは、また楽しくペット吹いてくれよな」

「うん……」

「お前たちは2人ともよく似て、表情より演奏の方がよっぽど正直だから。それを聴く方も結構辛いんだぞ」

「そ、そうかな?」

なんだか先生にはすべてを見透かされているようで恥ずかしい。

「あんなことがあった後だと余計来にくいかもしれないけど、待ってるからな」

「うん……」

「じゃあ、慎にもそう伝えといて」

先生はそう言うと、職員室へ戻っていった。


廊下から慎の教室をのぞいてみたけれど、そこに慎の姿はなかった。

もう、教室を出た後のようだ。


さぁ……

ひとつ大きな深呼吸をして、


ケジメ、つけに行こうか。