「いいねぇ幼なじみって。2人とも俺の存在忘れてない?」

話が落ち着いたところで、ヤマタロがぼそっとつぶやいた。


ゴメン……ちょっと忘れてたかも。


ふと気がつくと、テレビではバラエティ番組のエンドロールが流れているところだった。

……といういことは。

時計を見ると、21時50分だ。

「あああーっっ!!」

私は立ち上がった。

もうすぐ定期便の時間じゃん!

「何だ?」

陽人とヤマタロが驚いて私を見る。

「ごめん、用事思い出したからもう帰る!」

「なんだよ、やっと“2人だけの世界”の話が終わったと思ったら……」

ヤマタロはちょっとムッとしている。

まあ、それもそうだよね。

でも……

ここではさすがに“オレ”とのメールはできないよ……。


「ゴメン、また明日話そ! おやすみ!」

私が慌てて部屋のドアを開けると、

「じゃあ、俺も帰るわ」

ヤマタロも腰を上げた。