……このままじゃ、イヤだ。

このままだったら、友達のヤマタロも失ってしまいそうで……。


「ねぇ、ヤマタロ」

私は、ただ持っていただけの箸を机に置いて、

「ありがとう」

と言った。

「……なにが?」

「うん……。その……いろいろ励ましてくれたり、朝まで話に付き合ってもらったりして……」

「いえいえ、どういたしまして」

ヤマタロはお弁当箱を机に置くと、ゆっくりと足を組み替えた。

「オレ、少しは役に立ってた?」

「うん……。少しどころじゃなくて、とっても、助けられたよ」

「そうか。それはよかった」

ヤマタロが笑う。

「メールなんてめんどくせーって思ってたけど、頑張った甲斐があったよ」

私は、そんなヤマタロの仕草や言葉にいちいちドキドキさせられていた。