「私の中ではね、“オレ”って、顔だけモヤがかかって、ぼやけた存在だったのね」
「うん」
「なのに今、“オレ”がヤマタロだったって分かったはずなのに、まだ“オレ”の顔は見えないままなんだ」
そう……。
チョコはメールを読んですぐに気がついたって言うけど、私は、どうしても“オレ”とヤマタロが重ならない。
最初のメールで“オレ”に「好き」だって言われたとき、私は無意識に「陽人とヤマタロだけは違う」って除外したんだ。
私にとって、ヤマタロは友達で。
その感覚は幼なじみで兄弟同然の陽人に対するものに限りなく近くて。
だから、
“オレ”がヤマタロだって分かったときも、
今朝ヤマタロに会う前から緊張していたのも、
話をして息が止まりそうになったのも、
今こうしてヤマタロを遠くから見ているだけでドキドキするのも、
「どうしよう」
って言う気持ちでいっぱいで。
急に『男』になっちゃったヤマタロに戸惑うばかりで。
「……わけ、わかんないんだよ……」
「うん」
「なのに今、“オレ”がヤマタロだったって分かったはずなのに、まだ“オレ”の顔は見えないままなんだ」
そう……。
チョコはメールを読んですぐに気がついたって言うけど、私は、どうしても“オレ”とヤマタロが重ならない。
最初のメールで“オレ”に「好き」だって言われたとき、私は無意識に「陽人とヤマタロだけは違う」って除外したんだ。
私にとって、ヤマタロは友達で。
その感覚は幼なじみで兄弟同然の陽人に対するものに限りなく近くて。
だから、
“オレ”がヤマタロだって分かったときも、
今朝ヤマタロに会う前から緊張していたのも、
話をして息が止まりそうになったのも、
今こうしてヤマタロを遠くから見ているだけでドキドキするのも、
「どうしよう」
って言う気持ちでいっぱいで。
急に『男』になっちゃったヤマタロに戸惑うばかりで。
「……わけ、わかんないんだよ……」