ボテボテの内野ゴロ。
本当は駆け抜ける方が早い(と言われている)のに、ヘッドスライディング。

それなのに、ジャージを真っ黒に汚して、陽人に髪の毛をぐしゃぐしゃにされながら楽しそうに笑っているヤマタロ。


それは、私の知らないヤマタロだった。


「ねぇ、チョコ。さっきの質問なんだけど」

「うん?」

まだ興奮冷めやらないチョコが、私の横に座り直す。

「私、ヤマタロが好きだよ」

「そう!」

「だけどね……恋かどうかは、分からないんだ……」


私は、ヤマタロと陽人の姿を目で追いながら、
「うまく説明できなかったらゴメンね」
と前置きして、チョコに自分の正直な気持ちを語りはじめた。