その日の夜、私は21時前には自分の部屋に戻っていた。

この1ヶ月、ずっとこうだ。

ご飯を食べて、
いつも『早く入りなさい』って怒られていたお風呂にも真っ先に入って、
ベッドに横になって、
“オレ”からのメールを待つのが習慣になっていた。

チョコが面白いよって勧めてくれたドラマも結局見逃したまま。


私は携帯を開いた。
新着メールは届いていない。

受信フォルダを開くと、そこは“オレ”のメールであふれていた。

最後のメールは、<泣くな、バカ!>

この時“オレ”は、怒っていたのかな。

それとも、困っていたのかな。

<今朝の涙は一体なんなんだ!?>って、メールくれないかな。


……そうだ!

もし今夜メールをくれたら、明日の作戦のことを教えてあげよう。

説明会の途中で携帯が鳴ったら大変だから、マナーモードにしといたほうがいいよってね。

あとは、進路はどうするの?って聞いてみたいな。


話したいことが、たくさんある……。



だけど。

22時になっても23時を過ぎても“オレ”からのメールは届かなくて、

昨日の出来事は紛れもない事実だったんだって……



思い知らされた。