<それから……秋になって、何かいいことあった?>

<毎日楽しかったよ。そのころはプリクラにはまってて、しょっちゅう隣の駅で電車を降りて、ゲーセンに寄ってた>

今では机の奥にしまい込んでしまっている手帳には、慎と撮ったたくさんのプリクラが貼ってある。

当時、あの手帳を、私は何度見返してニヤけていたことだろう。


ふと机のに目をやると、そこにはまだ、楽しそうに笑っている私と慎の写真があった。

100均で一緒に選んだ、おそろいの写真立て。

2人で携帯を片手に、

あんな風に何度も何度も顔を寄せて、

何枚も写真を撮ったんだ。



そう……。


慎といたこの1年半、私はいつも笑っていた。

幸せだった。



私の目から、一筋の涙がこぼれ落ちた。