不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生

千穂を死に追いやってしまった俺を、寛大な両親は許してくれた。

でも腸は煮えくり返っている筈だ。
千穂は一人娘だった。

目に入れても痛くないほど溺愛した愛娘だったのだ。


俺を愛した為に……
俺が愛さなかった為に……
傷付き、そして命を散らした千穂。


俺が差し出した手を拒んだ時の表情が、脳裏を離れない。


何時も明るかった千穂を変えたのは、紛れもなく俺だったのだから。




手持ちのアルバムを開けてみる。

そこに写る千穂の瞳は、何時も真っ直ぐに俺に注がれていた。

俺の傍には何時も千穂がいた……
何時も……

その気持ちに気付くことなく、みずほとの愛に溺れた俺。


間違いなく罪は俺にある。


俺はその時、はっきりと罪の意識を感じた。


でも果たして俺に何が出来たのだろうか?

俺はこれからの人生を、懺悔の為に生きて行かなくてはならない。


(――でも……
俺からみずほを奪った千穂を恨むことなく、生きる事など出来る筈がない)


みずほを愛し……
千穂を恨み……

それでも千穂を愛さなかった事を悔やみ抜く。


所詮俺は弱い男だった。

みずほの恋人だと名乗る資格もない程の……


千穂に愛される資格もない程の……