不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生

辛うじて俺は助かった。


先生と松尾有美の事が心配になって振り向いた。


その時俺は見た。
俺を守る為に、みずほの霊が背中に抱き付いているのを。


「みずほ……」
俺はみずほのセクシーな唇に唇を重ねた。


そしてみずほを思いっきり抱き締めた。


でも……
みずほの霊は俺の腕の中で消えていた。


「みずほ〜ー!」
俺はがっくりと膝を付いた。


(――もしかしたら……
腹部に巻き付いた百合子の手を引き離す為に)


俺の胸部に……
背中に……
みずほの優しさを感じた。
温もりを感じた。


でもそれと同量の……
千穂を助けてやれなかった後悔を、この手のひらに感じていた。


(――もう少しで……
もう少しでこの手が届いた筈なのに)


俺はそのまま……

其処から動けず……




虚しさだけが、体中を駆け巡っているのを感じながらただ呆然としていた。