冬うらら~猫と起爆スイッチ~


「けど…奮発したわねぇ。すごくいいお米じゃない?」

 ハルコの笑顔に、彼女は思わず指を滑らせそうになった。

 ガチャン!

 幸いそんなに高く持ち上げていなかったので、受け皿に当たってイヤな音がしただけだったが、少し紅茶がこぼれてしまった。

「ご、ごめんなさい!」

 慌ててふきんを取ると、こぼれたお茶を拭き取る。

 ハルコは、ずーっとニコニコしていた。

 そうしながら、言った。

「カイト君でしょ?」

 彼女は、全然見逃してくれなかった。