もう私は、現実で恋ができないと思ってたんだもん。 女の子であることも、捨ててた。 恋する気持ちも、女の子なんだってことも…全部思い出させてくれたのは…あなた。 「大好き…英二…。」 「…俺も。好きだ…蘭子。」 初めて呼び捨てにされて、胸が熱くなって。 自然に…そうするのが当たり前のように。 ――ちゅ… 私と中村部長は、口付けしていた。 一瞬だけど、永遠なんじゃないかって感じるような…暖かい瞬間。 全身が、暖かい空気に包まれた気がした。 そして、静かに目を開けたら。