ガラッという音がしたあと、徐々に遠くなっていく足音が耳に響いた。 上履き特有の、キュッキュッ、という足音。 その音が聞こえなくなってから、私はそっと顔を上げた。 自分では見えないけど、きっとひどい顔。 早く帰って顔を洗おう。 夕食もお風呂も早めに済ませて、自分の部屋にこもろう。 そうしたら―― 頭をちゃんと整理しなきゃいけない。