私は毎朝2階にある自分のクラスの窓から、自転車小屋を眺めていた。


ヒロがチャリをこいで登校してくる、8時25分を楽しみに…。

ふられても…私は諦めがつかず、毎日上から、
『ヒロ、おはよー』
って声をかけていた。

ヒロは
『おー』
の一言だけだけど毎回返してくれる。

周りから見れば別れても仲いいって思われている。

けど、違う。

ヒロは私とメールも電話もしない。

別れる時、私が
『時々メールや電話していい?』
って聞いたら。

『ごめん。好きな子に誤解されたくないからしない。』

って、はっきり断られている。


だから、私とヒロの接点は朝のあいさつだけ。

それも、私が言わなくなったら完全になくなってしまう。

だから私は朝のこの時間を大切にするんだ。