熊谷さんとは そのまま別れた―。 しばらく、2人で笑いあった後。 少しの沈黙を残して。 六本木の交差点の人混みに飲まれるように消えていく 熊谷さんの姿を見送りながら あたしは―…… ディレクターになって以来の、最高に不思議な経験をした夜に 独り、クスリと笑った。 そして 二度と熊谷さんに会う事なんてないんだろうなぁ…なんて。 この狭いようで広い、芸能界の事を思いながら タクシーに乗り込んだんだ―…。 *