「ううん。諦めるよ。」

「何でよ?!」

何でって‥

「彼女がいる人を想ってても、
無理じゃん。」

「そんなの‥分かんないじゃん!!」

あたしだって、諦めたくない。

でも‥

「あの人のこと‥好きじゃないし。」

この気持ちは封印するって決めたの。

「そんなの嘘だよ‥」

英里香にはバレてるのかな?

「夏花は、そんなに中途半端な
気持ちじゃなかったでしょ?

簡単に諦められるほど‥
軽い気持ちだったの?」

そんなことない。
今だって好きだもん。

でも、弱さを見せたら‥
泣きそうだから言わない。

「もう、好きじゃない‥」