叶わない『大好き』



「んーあったかも。」

「なにそれ‥あの人のことでしょー?」

「分かるー?」
バレバレなの、あたしって?

「だって、夏花のテンションって
あの人にしか左右されないじゃん。」

「まぁー‥」
そうですね。
返す言葉もございません(笑)

「で、どうしたの?」

「今日は、あの人に会えないの。」
言いながら、筆箱を持って
席を立った。

「‥は?」

扉の前に立って、顔を出して
あの人がいないか確認。

「よし‥」
小さく呟いて、早足で歩き出した。

「ちょっとー夏花ー‥
どういうこと?」

美來ちゃんと碧ちゃんは
後ろから追いかけてきた。