叶わない『大好き』



ボーッとしていたいっていうか、
動く気力がない。


あの人に会いたくないんだ。


キーンコーン‥‥
朝の学活終わりのチャイム。

一時間目の準備しなきゃ‥
一時間目、何だっけ?
頭で考えながらも、体は動いてない。

「なーつか?」
後ろを振り向くと、
筆箱を持った美來ちゃんと碧ちゃん。

「何やってんの?
一時間目、美術だよ?」

こんな時に限って、
2組の前を通らないと行けない、
美術室への移動教室。

「マジで‥?」

「マジでって、早く美術室‥
て、何かあったわけ?」

さすがに、今日のあたしは
様子がおかしいらしく‥
聞かれてしまった。