でも‥きっとあの人。 有ちゃんがあの人好きって 噂聞いたことあるし‥ どうしよう‥ 何か‥―― 泣きそうかも‥ 「夏花? まだあの人って決まった訳じゃ‥」 黙ったあたしを心配して、 美來ちゃんが慰めてくれたけど‥ きっと‥あの人だから。 あたしの勘って結構当たるんだよ? 「ごめん‥あたしも寝る。」 美來ちゃんにそう言ってから、 布団に潜った。 あーぁ‥ 涙出てきたし‥ 旅館の枕、 びちょびちょになっちゃうよ‥ こんな時に泣いてるって、 おかしいよね‥