そして衣幸の暴走はヒートアップする。
やめられない、とまらない。いや、やめられるならやめてください。
「よくもサクをキズモノにしてー!」
「………………眠い」
スルースキルが高いのか、ただのアホなのか区別がつかない。
私は衣幸の後ろに立ち、暴走を止めようと手を伸ばす。
お願いだからこれ以上変なこと言うなよ、と念を込めて。
「あなたがサクを襲ったんでしょー!?」
「俺じゃなくて風見な」
「えっ。ライに命令されただけなんだけど」
言うなよ風見。
確かに事実だけど。
私は頭を抱えて、どうするべきかを考えた。
衣幸を止めるべきか、風見を止めるべきか。
どちらにするか神頼みをすることに決定した。と同時に、とんでもない言葉が耳に入ってくる。
「………………こんなのがハトコなんて」
「俺もやだ」
「………………………はひ?」
衣幸と市木がハトコ。ハトコ。
ハトコとは、イトコの子供だったはず。
何、こいつら親戚なの。
その驚きをうっかり口に出していたようで、衣幸が頷いた。
「つまりサクも親戚になるのかあ」
「だからそういう関係でないって」


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