英雄飼育日記。




もう何を言ってるんですか衣幸さんてばー☆

朝からヒゲダンスを踊りながら必死のフォローに出る私、14歳。

本当何やってんだろ。ヒゲダンスはフォローに何の効果も出さないだろ。

そんな相当頭のやられてる私の行動虚しく、衣幸がもう言葉に表せられないようなとんでもない目で見てくる。

これが、黒い眼差しってやつか。確かに逃げられないね。


「だってあなた、「明日また」って…………」

「違うよ!? 衣幸さんが期待しているようなハプニング起きてないよ!?」

「現代社会の性の乱れってやつなのねー!」

朝から複雑なテーマ叫びながら走り去らないでー!

教室へ走る衣幸、そんな衣幸を追いかける私。

きちんと靴を履き替えるのは忘れない。ここだけ休戦タイム。

上靴に履き替えた瞬間再開されるレース。

廊下は走っちゃいけないけど、大体黙認されてるからオッケーだよね。


「わたっ、わたしっ、信じられない!」

「信じないでいいよ! 衣幸の勘違いなんだから!」

「まさか、サクが…………中古だなんて!」

「言い方がなんかヤだよ! ていうかまだまだ使用される見込みのない新品だよ!」

自分で言ってて悲しくなった。


しかし恥を捨てて衣幸の誤解を解かねばならない。

解けなければこの先、もっと恐ろしい恥が私を待ち受けているだろうから。



「許さないわ! 市木君、サクを!」


教室に入ってしまった衣幸。

運良く、教室には衣幸と市木、風見の3人だけだった。