そして私は考えたあげく、考えるのをやめることにした。
これは守園咲葉第24回脳内会議によってくだされた結論である。
確か第23回の議題は「衣幸の弟の暴走はどうやって止めるか」だったはず。
出た結論は「時間経過」すなわち「放置」だったけど。
「あれ、カナト。何も食べてないの?」
「何も、って?」
「冷蔵庫の中。ヨーグルトとサンドイッチくらいなら入ってるはずだけど」
「ああ、私は妖だから食べなくても平気なのだよ」
そうか、妖だからなー。
納得して風呂場へ向かいそうになる。
いや待て待て待て。
そういや私、昨日聞いたはいいけど質問できなかったことがあったんじゃないか。
「そういや昨日、市木がご丁寧に説明してくれたじゃん」
「シキ…………風狼の飼い主か」
「そもそも妖怪と妖の違いって何なわけ?」
それとも違いは無いのかしら、なんてすましてみる。
そうだ、おかしいのだ。
妖怪を倒すということは、妖怪が悪い奴であるという証。
でもその妖怪を倒すのに使ったり、自らのボディーガードをさせる妖は、悪くないのだろうか?
それとも、特に区別がないのか。
カナトは顎に手をそえ、答える。
「妖は簡単に言うと人型、妖怪はそれ以外の形をしている、といった方が早いかな?」


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