もしも……

もしもアタシがあのまま、あの道に進んでたら……

アタシは今、ココで笑えてたのかなぁ。

もしも……

君に出会えなければ……この道に進んでいたかなぁ。

多分、アタシは間違ってないと思う。

だから……今日もココで笑ってます!

ありがとう。
ありがとう。




「おはよ♪」

「ほーら、今日入社式でしょ」

「分かってるって、じゃ、行ってきます」

アタシ――春野美喜――は今日から社会人。

もう大人。

昨日まで子供気分だったアタシは入社式早々、ゆっくり。

朝ごはんも食べないで会社に向かった。



なんだろう。

空がいつもより明るい気がした。

「あっ」

ふと空を見上げると、雲1つない青空が広がっていた。

あの時と同じだね。

時が経つのは早いね。

アタシは、今も忘れてないよ――

君と見たあの空を。

君は、覚えていますか?