鬼に愛された女



「正直、わからないのです」


「わからない?」


「この神威様への情が、恋と呼べるのか、わたくしにはわかりません」


「では頭領の嫁よ。たとえば頭領に縁談の話がでたら、そなたはどう思うのじゃ?」


神威様と誰かの縁談?


それは……


「……嫌、かもしれません」


「ほう。そうか、嫌か。なら答えはでておるじゃないか」


ホッホッと、笑うと、老人は美月の頭を優しく撫でた


「……なんじゃ。なら、何も問題ないな」


「それはどういう……」

「姫様。神威様がお呼びです」


老人に尋ねようとすると、御簾の向こうから近江の声が響く