「ありがとうな、頭領の若い嫁よ」
「いえ。たいしたものがすぐに出せなくてすみません」
「なに、急に邪魔したワシが悪いのじゃ。気にしないでほしいものだ」
手についた苺の汁を舐めると、老人は満足そうに言った。
だが、美月を見ると、表情が一変した
「……そなたは頭領の力だけで妖力の強い鬼になったわけでわないな。そなた、人の時は何をしていたのだ?」
「え?なにかしていたわけではありませんが、陰陽術をたしなんでいました」
「陰陽術!?そなた、陰陽師なのか?」
今まで細めていた老人の目が、大きく開き、上半身を前に倒して美月に近づく
「父は陰陽師です。わたくしは女人ですから陰陽師にはなれません」

