鬼に愛された女



「みつ……」


「頭領、鋼です」


御簾の向こうから、聞き覚えのない低い声が聞こえてきた


鋼と名乗る男は、どうやら神威の家臣だろう


「どうした?」


「じつは、今日の昼過ぎに鬼神院の方々がお越しになるそうです」


「ならもう来るではないか!?」


「はい。じつは先ほど連絡がありまして……」


「そうか、わかった。……あ、まて鋼。美月、こいつは鋼。俺の信頼できる側近で友人だ」


「はじめまして鋼様」

御簾ごしに頭を下げる


「鋼。我妻は今日から美月だ。俺がいないときはお前に妻を頼んだ」


「はい。では自分はこれで」


鋼の気配が遠のいていく

「お顔を拝見したかったです」


「どういう意味かな美月?」


笑顔で尋ねるが、目が明らかに笑っていない