鬼に愛された女



「あの神威様。わたくし……」


「ねぇ、月子」


「……はい、なんでしょうか?」


「月子って名はそなたによく似合っているが、鬼になったのだから、人の名を捨てなくてはいけなくてな……。それで俺なりに考えたのだが……」

神威は袖の中からきれいに折りたたまれた紙をとりだした


「この中から1つ、選んでほしい」


紙を受け取って丁寧に広げると、たくさんの字が書かれていた


名前……ですかね?


「神威様、これは名ですか?」


「そうだ。そなたに似合うと思って俺が考えた」

神威は首をかきながら、照れくさそうに言う