あの約束をしたあれから神威様はわたくしに女房をつけてくださいました。そして、白に会うこともまりませんでした


神威様、時がたつのは早いですね


もうあなた様との約束の日です


あれから変わったことといえば、あなた様のそばにいて、楽しいと感じることができました


ですが、これを好きと呼べるのでしょうか?




「はぁ、どうしたものか」


私室で一人、月子はため息をこぼす。ずっと御簾越しに外を眺めて考えていたけど、なかなかあの方への想いをわかることができません


「たとえ神威様のことを好きでなくても、わたくしはあの方の妻としてここに残らなくてはいけないのは変わりない……」

「そうだよ、月子」


「神威様!」


振り向こうとするが、後ろから抱きとめられたため、振り向くことができない