「月子ー!どこにいるんだ!」
神威は部屋で待っていたが、なかなか戻ってこない月子を心配して探しにきた
「おい、月子を見なかったか?」
神威の声に寄ってきた女房に月子の居場所を聞く
「わ、わかりません」
女房は怯えながら言う
指は震えて顔は真っ青だ
「ならいい。お前は戻れ」
月子。どこにいるんだ
屋敷内をうろうろしていると笑い声が聞こえてきた
月子か?
駆け寄るとそこには信じられない光景だった
月子が笑っている
ここに来てから一度も笑ってくれなかった月子が他の男に笑いかけていた
なにより信じられないのは、あの白雲が笑っていることだ……