鬼に愛された女



琥珀は、手を伸ばして美月の頬に触れる


「元気でね琥珀」


美月は名残惜しそうに、琥珀を近江にたくした


「近江。……わたくし、眠くなったから寝るわ。わたくしが寝ている間、百鬼家を、頼んだわよ」


「……はい、姫様。いい夢を」


近江は琥珀を抱いたまま、ゆっくりと頭を下げた

それからすっと立ち上がり、また頭を下げた