「姫様、近江です」


「入って」


御簾をずらして近江が琥珀を抱いて入ってきた


「お兄様に文をお渡しになられたのですか?」


「えぇ。もう決めたもの」


近江が美月に近寄ると、琥珀が美月に手を伸ばした


「かあしゃま」


「おいで琥珀」


美月は琥珀を自分の胸にすっぽりと入れ、優しく抱きしめる