「でも……あ、そうだわ。神威様、わたくし、呪いに詳しい方を知っています」


「本気か?」


「急ぎましょう。時間がたつと解けなくなるかもしれませんし」


「わかった。鋼に車を用意させる」


「はい。でもその前に神威様の傷の手当てを」


美月は神威の傷口に手を当てて、傷の具合を確かめる


「俺は妖怪だから、だいたいは塞がった。それより美月は大丈夫なのか?」


「……はい。大丈夫ですよ」


美月はどこか悲しい表情で神威に笑いかけたのだった