「綺麗な月」



月子はなんだか眠れなくて、先ほどからずっと自分の寝所で月をみていた


今日は疲れましたわ


でも、明日も頑張らなくては!


「姉様、起きていますか?」


奥の部屋から小さい声がいた

?…この声まさか


「紅葉?」


「はい。あの……今大丈夫ですか?」


「えぇ、構いませんよ」

御簾から顔をひょこりと出した後に周りを見渡して恐る恐る入ってきた


「あの、姉様は今日私たちに幸せが訪れるためにまじないをするって言ってましたよね」


「え、えぇ。言いましたが?」


「あたし、どこかのお屋敷に連れてこられたのはもう、二度目です」