「いってぇ。なんてことするんだ」


「黙りなさい。男が一発殴られたくらいで文句言わないの!」


理不尽なことを言う南を睨み付けていると、腕の中で眠っていた美月が目を醒ましてしまった


「ん……神威様。どうかしたのですか?」


「あ、悪い。起こしちゃったな」


美月は神威におろしてもらい、辺りをキョロキョロと見渡す


「帰ってきたのですか?……あら?あなたは?」

やっと南に気づいた美月は、南をじっと観察する

「はじめまして。私は神威の姉の南です。馬鹿弟が旦那なんて大変でしょ?」


優しく微笑みかけ、美月の手を握る


「いえ。そんなことはないです。あ、わたくしは美月と申します」


「美月……可愛い名ね」

まるで猫をかわいがるように美月の頭を撫でる南