「今、なんと?」


「だから、俺の嫁にならないかと聞いている」


「わ、わたくしは……」

戸惑っている月子を無視して俺は、彼女の首筋に牙をたてた


「神威様!あっ…はぁっ!」


甘い吐息をだして、必死に俺にしがみついてくる月子を見ると、今すぐ俺のものにしたいとい欲望がこみ上げてきた



――月子の血、甘いな……


首筋から牙を抜くと、瞳を濡らして上目づかいで俺をみる月子


やば……


抑えろ俺!我慢するんだ!!


「か、神威様」


「月子、今日はまだそなたは人間だが、一年後には鬼になるだろう。今日から一年後に俺はそなたを迎えに行く」



だから、その時まで



「さよならだ、月子」


そっと月子の額に口づけて、今晩の記憶を封じた

「おやすみ月子」