鬼に愛された女



「姫様、どうか兄をお許しください」


「兄?」


「鋼は私の兄にございます。本当に誠に申し訳ございません」


その場で土下座する近江を美月は慌てて起こす


「大丈夫よ近江。さっ、起きて」


大丈夫と言ってみたが、内心焦っていた


あの人が神威様の恋人?

ならわたくしはなんで、ここに呼ばれたの?


今までのは全部嘘だったの?


なんだかめまいが……


「姫様?……姫様!」


美月は気づいたときには意識を手放してしまった