庭の女人は近江に気づいたらしく、一度後退りするが、どかどかと近江に近寄ってきた


「あなたこの屋敷の女房?なら、頭領をあたくしに会わせなさい」


「……頭領は今出かけています。お引き取りを」

「ならいいわ。頭領の嫁に会わせなさい」


え?わたくし?


聞き耳を立てていた美月は驚いて、針を落としてしまった


「姫様はお忙しいのであうことはできません。お引き取りください」


近江は冷たい眼差しで庭の女人を見下ろすと、女人は暴れ出した