神聖な森の奥に大きな屋敷が建っていた
とても立派な屋敷だが、そこには妖怪が住んでいる
この屋敷は鬼たちの頂点に立つ頭領の屋敷
鬼の頭領の名は神威
漆黒の瞳に漆黒の髪。肌は白く、かなり顔が整った青年だ
暇……なんかおもしれぇことないかな〜
あくびをすると神威は寝転がる
「暇暇暇暇……」
なんだ……退屈で死にそうだ
適当に女房をよび、彼の一番信頼を寄せている友人を呼びつける
「……なんだ。俺はお前と違って忙しいんだが?」
こいつの名は白雲(びゃくうん)。俺の側近であり、友人
白銀髪で目つきの悪い男。それが白雲だ
「そういうなよ。俺は暇でしょうがないんだ」
「……たくっ。ならお前に良いこと教えてやる」
「良いこと?」
白雲の笑みを久しぶりに見たため、その“良いこと”に興味を持った
良いことか……
もしかしてじじいたちが死んだか?
「なぁ、白雲…」
「いっておくが、鬼神院のじじいどもは死んではないからな」
チッ……←舌打ちの音
鬼神院とは、頭領が正しく政治を行っているか監視し、時には助言したりする機関
ちなみに鬼神院は五人の鬼でなっている
「で、なら良いことってなんだよ」
「じつはな、鬼へと変化したものたちの行方がわかった」
「なにっ?それは本当か!」
やっと立ち上がり、神威は白雲と目を合わす
「あぁ。今までどうやら陰陽師の家でかくまってたらしい。今は安部の屋敷にいるようだ」
「安部晴明の屋敷か……。結構ここから近いじゃん」
よし、こうしちゃいれねぇな