以下は、自衛隊に見つからないように海中深くを潜行して東京へ帰るラミエルの球体の中で俺と麻耶が交わした会話。
「ああ!もう!この馬鹿兄貴!ヤマトって言ったらあっちに決まってんでしょ!宇宙戦艦に!」
「いや、俺そっちのヤマトはよく知らなかったんだよ。最初の二、三話見て、つまらなさそうだったから後は見なかったんだ。それにお前だって『宇宙戦艦』とは一度も言わなかっただろうが!」
「それでも常識で考えりゃ分かりそうなもんでしょ!六十年以上も前の戦艦なんか今の時代に何の役に立つのよ?」
「まあ、ラミエルのとこにはあと二回何か届くわけだし……ま、最初はこんなもんさ。失敗は成功の母って言うだろ?だから……な……」
 第二回地球征服作戦、戦艦大和の資料本代合計一万三千円。ラミエルの軍資金は前回使い果たしているので収入はゼロ。締めて一万三千円の赤字。しかも全額俺の持ち出し。とほほ……